フェスティバル後記

定禅寺ストリートジャズフェスティバル

第26回定禅寺ストリートジャズフェスティバルも無事に開催できました。応援して下さってありがとうございます。

2011年より関わり続けていますが、今年ほど「音楽」を意識したことはありませんでした。それは広報の担当として、意図やプロットを作る裏方だけでなく、メディア取材の矢面に立ったのが契機かもしれません。

フェスティバルは、あらゆるジャンルの音楽、あらゆる場所、あらゆる人びとによって作られていきます。それだけに、当日お越しになるひとりひとりの体験は複雑で豊かなものであり、楽しみ方はひとそれぞれ。とても一言では言い表せません。でもそれでは広報になりません。今年のテーマ、ビジュアル、参加プレーヤーやジャンル、企画イベント、グッズ、初めての試み等々を、注目されるべき価値として意味や文脈を固定してお伝えします。

これは不思議なのですが、広く知ってもらうために設定した価値を打ち出すほどに、この音楽祭の大きな「善」を感じるようになりました。それは、「音楽」でありそこから溢れる「喜び」です。プレーヤーはステージに立つことを楽しみにしています。人によっては一生に一度の大舞台かもしれません。実行委員はそのための最高の舞台を1年かけて用意します。様々な現場でフェスティバルに関わるほとんど全てのひとが、自分の意思で参加し、その日に向けて着々と備えています。これはすごいことです。

ひとつひとつのステージ、そこに音楽が鳴り響かなくてはならない、それもとびっきりの!

音楽をする晴れ舞台、待ち遠しさが溢れ出した数千人が街中で歓喜の歌を奏でる。その幸せな雰囲気が定禅寺ストリートジャズフェスティバルの賜物だと思いました。